そうび
そうび(薔薇)
煉切
薔薇を音読みすると「そうび・しょうび」で、
菅原道真の漢詩や、源氏物語にも登場しています。
一般にバラと聞いて思い浮かべる花姿は、
多くの花弁が幾重にも重なったゴージャスな形だと思いますが、
当時の日本に自生していた日本原産のバラは、
野茨(のいばら)、浜梨(はまなし・はまなす)、照葉野茨(てりはのいばら)など、
香りは良いものの、花弁が5枚の素朴な花ばかり。
しかし、この日本の3種を含む、たった8つの原種が、
現在ある全てのバラの基本種であり、
複雑な交配が重ねられて、膨大な数の園芸品種が誕生したそうです。
定着せずに消えたものも数え切れませんが、
現在も毎年200以上の新品種が世界中で発表され、
約3000種が現存するといわれています。
当店のそうびは、煉切にさじで花弁を刻み、
現代のバラらしく八重咲きに仕上げました。
豪華さと素朴さが同居する、日本原産のお菓子です。

トップ > 和菓子歳時記 > 平成15年皐月 > そうび