若桜
若桜(わかざくら)
煉切
日本の国花、桜です。
「サクラ」という名前の由来には諸説あり、
「咲く」に群がりを表す接尾語「ら」をつけたとも、
古事記に登場する田の神「木花開耶姫(このはなさくやひめ)」の、
「サクヤ」が音韻変化したとも、いわれています。
また、民俗学の分野での研究によると、
「サ」は早苗・早乙女と同じく、穀物に宿る精霊や田の神を意味し、
「クラ」はその神が宿る場所「座」をさす言葉だったそうです。
桜の開花時期は短く、一斉に無数の花を咲かせ、
あっという間に散ってしまいます。
古代人は、その一瞬の出来事に神性を見たのかもしれません。
精霊が木に宿り、すぐさま四方八方に飛び移る、
それに合わせて花は咲き、そして散る、
それは「穀物の神の種まき」であり、
田畑に飛び移った精霊が、稲を豊かに実らせる、
と考えられていたそうです。
万葉の時代以前から、桜の一瞬の美は、
日本人にとって特別な存在だったようですね。

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