柳緑花紅
柳緑花紅(りゅうりょくかこう)
きんとん
少し難しい言葉ですが、「やなぎはみどり、はなはくれない」とも読み、
11世紀の中国の詩人・蘇軾(そしょく)の詩からの引用です。
物事が自然のままに、人の手を加えられていないことのたとえで、
柳は緑色をなすように、花は紅色に咲くように、
この世のものは種々様々に異なっており、
それぞれに自然の理が備わっている、という意味です。
全てのものを客観的に捉え、ありのままを受け入れようという、
詩的でありながら、非常に哲学的でもあり、
たった四文字ですが含蓄のある、心に深く感じる言葉だと思います。
また、単に春の美しい景色を形容する言葉でもあり、
難しいこと抜きに、このきんとんの淡い二色で、
春景色に思いを馳せるのも良いのではないでしょうか。

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