六つの花
六つの花(むつのはな)
道明寺
六つの花とは雪の異称で、六花(りっか・ろっか)ともいいます。
空気中の水蒸気が昇華してできた氷の結晶が、
溶けずに地上まで降ってきたものが雪で、
湿度と気温で色々な形の結晶ができるということです。
江戸時代末期、古河藩主の土井利位が詳しく観察し、
雪の結晶86種を収めた「雪華図説」を発行すると、
庶民の間でちょっとした雪の文様ブームになったそうです。
また、雪の結晶を顕微鏡写真にとって分類し、
その全てを実験室の中で人工的に作って、
結晶の形が、温度と過飽和度によって決まることを、
世界で最初に明らかにしたのは、北海道大学の中谷宇吉郎博士です。
博士は「雪は天から送られてきた手紙」という有名な言葉を残しました。
単なる詩的なものではなく、雪の結晶を見れば、
どのような湿度・温度の領域を通ってきたか全てわかる、ということでしょう。
お菓子も食べれば、色々なことが伝わってきますよね。

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