わび助
わび助(わびすけ)
煉切
侘助は、椿の中で最も茶の湯の床に好まれる花です。
小輪で楚々とした花姿は、枯淡を好む茶の世界に似つかわしく、
冬の茶花の主役に君臨し続けています。
ところが、起源や名前の由来は不詳で、
文禄・慶長の役の時に侘助という人が持ち帰ったからとも、
茶人笠原侘助が好んだからとも、いわれています。
また、この花の雄しべは退化しているので結実しない、
つまり種子もできないのです。
現在の侘助椿は全て、豊臣秀吉が大切にしていたとされる、
京都の大徳寺・総見院にある樹齢400年近い古木が原木となって、
挿し木や接ぎ木によって繁殖していったとされています。
なんとも謎めいた、しかし美しい花ですね。

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