芋名月
芋名月(いもめいげつ)
煉切
十五夜というのは、陰暦15日の夜のことですが、
特に陰暦8月の15日をさし、今年は9月21日が十五夜になります。
この日、お月見が各地で行われますが、
団子やススキと共に里芋をお供えすることから、
中秋の名月は、芋名月とも呼ばれています。
このような月にまつわる風流な言葉は数多くあり、
日が進むにつれて月の出が遅くなっていくことを、
次のような言葉で言い表しました。
陰暦8月14日は、翌日の十五夜を待つ意味から、待宵(まつよい)。
16日は、月が少し欠けて、出てくるのをためらう(いざよう)から、
月の出が満月より遅くなるとして、十六夜(いざよい)の月。
17日は、もう少し遅くなるが立って待つ間に出るので、立待月(たちまちづき)。
18日は、ゆっくり座って待つうちに出てくるので、居待月(いまちづき)。
19日は、更に遅くなり寝て待つので、寝待月(ねまちづき)。
20日は、月の出が午後10時頃になり、更待月(ふけまちづき)。
これらには月を待ち仰ぐ心持が、一抹の寂しさと共に込められています。
夕方、月の出を待ちながら色々と想いを巡らせるのも、
たまには良いものですね。

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