蕨餅
蕨餅(わらびもち)
本蕨
一般的にワラビ餅というと、
真っ白で、適当な大きさに切ったものを冷やしておいて、
きな粉や蜜をかけて食べる、そういうイメージだと思います。
当店では餡を包み込み、きな粉をかけて、
あまり冷やさずに食べていただきます。
というのは、本物の本蕨粉を使うと、ゴムのような弾力・粘りがあり、
しかし口の中では、とろけるような味わいとなるのですが、
冷やし過ぎると、どうしても力(りき)が無くなってしまう、
つまり、弾性・粘性が落ちて、腰が抜けてしまうからです。
前述の一般的なワラビ餅は、名前と違って蕨粉を使わずに、
甘藷でん粉(サツマイモのでん粉)や、タピオカでん粉、
良くてを加工したものばかりです。
「本蕨粉使用」と謳っているものでも、「蕨粉も一部使用」という意味で、
他のゲル化剤を混ぜて硬くなりにくくして、冷凍保存が利くかわりに、
本蕨の命とも言える力が無い、といった代物が多いようです。
とは言うものの私個人は、おじさんが鐘を鳴らしながら、
屋台を引いて売りに来ていた冷たいワラビ餅にも、心が惹かれます。

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