唐衣(からころも)
外郎製
「唐衣 着つつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」
それぞれの句頭に「か・き・つ・ば・た」の五文字を折り込んだこの有名な和歌は、
六歌仙の一人、在原業平(ありわらのなりひら)が都に残してきた妻をしのび、
杜若(かきつばた)が咲き匂う三河国八橋、
現在の
愛知県知立市八橋町の辺りで詠んだといわれています。
その故事以来、
杜若の名所
として名高く、
業平塚も近くにあり、
そこから車で20分ほどの
刈谷市井ヶ谷町小堤西池には、
国の天然記念物指定を受けた、日本最大規模の
杜若群生地
もあります。
杜若の、唐衣(唐風の衣服)をも思わせる美しい姿と、
「古今集」にも収められている、「伊勢物語」第九段のこの歌との、
両方の意味を併せ持ったお菓子です。