都の錦(みやこのにしき)
煉切製
「見渡せば 柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける」
平安前期の僧で三十六歌仙の一人、素性(そせい)の歌にあるように、
当時の京の都は桜の淡紅と柳の緑が、錦のように輝いていたと思われます。
さらに菜種の黄色を加えた三色の煉切に、
桜の花弁をひとひら散らして春の美しさを表現しました。
色彩の組み合わせで季節を連想させるテクニックの一つですが、
少し色合いを変えれば、
秋のお菓子
にもなります。
こういった色彩感覚は国によって違うそうですが、
大事にしていきたいものの一つだと思います。