木の芽
木の芽(きのめ)
薯蕷
木の芽とは山椒(さんしょう・さんしょ)の若葉のことで、薯蕷饅頭にのせて天焼きしています。
山椒は縄文時代の遺跡からも発見されたそうで、
古代から香辛料・香味料として使われ、椒(はじかみ)と呼ばれてきました。
今では生姜のことを「はじかみ」と言いますが、古くは山椒のことで、
「山」にある「椒(はじかみ)」からその名がきています。
健胃や解毒、回虫駆除などの薬理作用もあり、花・葉・実・樹皮・材と、全て利用されます。
「山椒の芽を摘むとき鼻歌などを歌うと枯れる。」と戒めたのは、
山椒の大切さと繊細さを知っていた昔の人のやさしさからでしょうか。
「ヒーリリヒーリリ」という鳴き声から山椒喰(さんしょうくい)と名付けられた鳥もいるぐらいで、
「山椒は小粒でもぴりりと辛い」との諺にもあるように、
ほんの少しの山椒が、舌先に春の辛味を残します。
目に鮮やかな新緑とともに、春の香りを満喫できるお菓子です。

トップ > 和菓子歳時記 > 平成13年卯月 > 木の芽