月兎
月兎(つきうさぎ)
薯蕷
今年の場合9月28日が、旧暦の8月15日=中秋です。
日本では昔から、月にはウサギが住んでいると信じられ、
ウサギが餅を搗いている姿を満月に見出しました。
この月にウサギの話、古代中国やインドの神話が複雑に絡み合い、
飛鳥時代には日本にも伝わってきていたようです。
ただ当初は餅搗きではなく、不老不死の薬草を搗いていたのですが、
日本には薬草を杵で搗くという風習がなく、
満月のことを望月(もちづき)と呼ぶことから、
餅搗きに変化していった、と言われています。
月の住人は世界各国で神話や伝説とともに様々で、
ウサギ、カエル、カニ、吼えるライオン、ワニ、ロバ、シカ、
女性の横顔、本を読む老婆、シカに餌をやる女、縫い物をする女、
水汲みをする男、薪を担ぐ男、強欲な男、月の男…等々。
キリがありませんが、不思議とウサギを見る地域は多いようです。
ただ私個人としては、幼い頃からいくら見ても、
兎が餅搗きをしている姿には見えませんでしたねぇ。

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